投資信託協会は、投資信託を運用する会社に対して、早ければ2008年9月にも立ち入り検査を実施する。協会としての立ち入り検査は初めてで、8月21日に協会員向けの説明会を開く予定。会員検査は毎年、調査の方針と計画を作成しそれに基づいて、概ね3週間前に対象となる会社に通知して行う。一般調査と特別調査に分けて行い、特別調査は、部分調査、フォローアップ調査、機動的・継続的調査と合同調査の4種類とする。

コンプライアンス態勢など、投資家保護に重点を置く。開始時期については「陣容が整いしだい実施したい」としている。投資信託協会に加盟する会員は4月時点で133社。検査の対象には、上場不動産投資信託(J-REIT)も含まれている。

投資信託協会が13日発表した7月の投信概況によると、誰でも購入できる公募株式投信の純資産残高は前月末比0.6%増の60兆9500億円だった。しかし米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題が深刻化する直前の昨年7月末に比べると6.6%減少。世界的な金融市場の混乱で投信の資産はこの1年で大きく目減りした。

 投信の資産は運用悪化によって1年間に10兆円余りが減った。この間、日経平均株価は22%、中国の上海総合指数は38%それぞれ下落するなど、世界の株式相場が低迷したことが原因だ。投信の基準価格は平均で1割余り下落した。

 資金流入額(新規購入から解約・償還を差し引いた額)は1年間で6兆5600億円と、その前の1年間(2006年8月―07年7月)に比べて58%減った。昨年までは中国やインドなど新興国の株価上昇期待から、外国株式で運用する投信に人気が集まり、1カ月に3兆円近い資金が流入することもあった。サブプライム問題後の世界的な株安で投信の運用成績が悪化し、個人の投資意欲を減退させている。

投資信託協会が13日発表した7月の投信概況によると、国内外の株式を主な運用対象とする株式投信の純資産総額は、前月比0・6%増の60兆9539億円で、2カ月ぶりにプラスとなった。ただ内外の相場環境の低迷を反映し、2カ月連続で運用によるマイナス(運用減)が発生した。

 株式投信は新規の販売設定額から解約・償還額を差し引いた資金流入額が12カ月連続で純増し、前月比2・3倍の6014億円と、昨年12月(7383億円)以来の高水準となった。

 ただ、7月末は日経平均株価が前月比0・8%、TOPIX(東証株価指数)が同1・3%下落するなど、相場環境が低迷したことから、運用減は2386億円となった。運用減は6月(2兆3016億円)に続き2カ月連続。

 株式投信(追加型)の商品別資金流入額の内訳は、国内株式型、国際株式型とも解約・償還額が販売設定額を上回り、国内株式型が306億円、国際株式型が1168億円の資金流出と苦戦。代わりに、債券などを投資対象とし、株式型よりも投資リスクの低いバランス型は5085億円の流入増となり、流入増額は過去最高となった。

 公社債投信、MMFも合わせた投資信託全体では、純資産総額は2カ月ぶりに増加したが、前月比1108億円の小幅な増加にとどまり、73兆1548億円となった。公社債投信が2780億円の資金流出となったのが響いた。
12日の東京株式市場は軟調に推移。中国株急落など新興国経済失速への不安感から、鉄鋼株や非鉄株への売りが強まった。これを受け「鉄鋼・非鉄(TOPIX-17)ETF」などが3.8%値下がりしている。
11日のREIT市場は各国で大幅高。特に、豪REITは利下げ余地が示唆されたことなどから、S&P/ASX200REIT指数が3%の上昇。「オーストラリア・リート」が値上がり率1位となった。そのほか「野村ファンドラップ世界REIT」「ニッセイAEW米国リートオープン」なども上昇した。
インド株式市場は原油安などから5営業日続伸。SENSEX指数はおよそ2カ月ぶりの高値となり、「新生・UTIインドインフラ関連株式ファンド」などが値上がりしている。 
  一方、中国株式市場は急落。中国の7月生産者物価上昇率が9年ぶりの高水準となったことが嫌気されて、上海総合指数は5.2%のマイナス。中国A株を投資対象とする「上場インデックス中国A株CSI300」などが大きく下げた。(
14日の東京株式市場は、米国株の続落を受けてマイナスに推移。不動産セクターは、相次ぐ破たんが嫌気されて軒並み売られた。J‐REIT(不動産投資信託)も沈み、東証REIT指数は3.6%安。「野村日本不動産投信」などが大きく値下がりしている。
なお、この日東京証券取引所が発表した7月の不動産投資信託売買状況によると、銀行は38億円の売り越し、売買手控えが目立った個人も7億円の売り越しだった。東証REIT指数は7月の1カ月間でおよそ3.7%下落している。
また、13日の豪REIT市場は急反落。前日までの2日間で6%近く上昇していたこともあり、利益確定売りに押された。S&P/ASX200REIT指数は5.4%のマイナス、「オーストラリア・リート」が値下がりしている。
一方、商品先物市場は買われる展開。NY原油は反発、金も原油高を好感して9日ぶりに上昇した。シカゴ穀物も、下げ過ぎの反動で大豆・コーンがストップ高。これを受け、「コモディティ・セレクション(食糧)」などのコモディティファンドが軒並み上昇している。
投資信託の販売が振るわない中で、株式の配当に当たる「分配金」を毎月出す「毎月分配型ファンド」のシェアが拡大している。公募の株式投信全体に占める割合は7月末に55.7%となり、2カ月連続で過去最高を更新した。毎月の収入を分配金で補いたいと考える個人投資家が多いほか、毎月分配型の外国債券ファンドに人気が集まっていることなどが背景にあるようだ。

 投信協会によると、毎月分配型ファンドの残高は7月末、32兆9100億円と1年前に比べて約3%増えた。いつでも購入できる追加型の株式投信の市場規模は、円高・株安に伴う資産の目減りで1年前から約6%縮小しており、毎月分配型のシェアが高まる結果となった。

退職金の一部を株式や投資信託など投資型金融商品で運用している人が、退職者の約4割に上っていることが米投資会社フィデリティ投信が行った調査で分かった。退職後の生活で「金銭面に不安を感じる」と答えた人は56.8%に上っており、将来への不安から資産を増やす手段として金融商品への投資を選択しているようだ。

 調査結果によると、退職金を投信などで運用している人は39.2%で、そのうち60.7%が米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)による金融市場の混乱などで評価損が発生していると回答した。

 しかし、評価損が出た人のうち、「投資商品を保有し続けたい」(79.4%)と「買い増したい」(2.1%)の合計は8割を超え、「保有を減らしたい、売却したい」(11.8%)を大きく上回った。フィデリティ投信は「退職者は短期的な利益より中長期の視点で運用に取り組んでいる」と分析している。

 調査は4月25~30日、定年退職し退職金を受け取った60~65歳の男女を対象にインターネットで行い、1000人(平均年齢62歳)の有効回答を得た。

退職金の一部を株式や投資信託など投資型金融商品で運用した退職者は約4割--。米投資会社のフィデリティ投信が行った調査で、退職者に投資が浸透し始めていることをうかがわせる結果が出た。一方、退職後の生活で金銭面に不安を感じると答えた人は56.8%に上っており、将来への不安から資産を増やす手段として金融商品への投資を選択しているようだ。

 26日発表した調査結果によると、退職金を投信などで運用した人は39.2%。また、そのうち60.7%が、米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)による金融市場の混乱などで評価損が発生していると回答した。しかし、評価損が発生した人のうち、「投資商品を保有し続けたい」(79.4%)と「買い増したい」(2.1%)の合計は8割を超え、「保有を減らしたい、売却したい」(11.8%)を大きく上回った。フィデリティ投信は、「退職者は、短期的に利益を得るよりも、中長期の視点で運用に取り組んでいる」と分析している。

 調査は4月25~30日、定年退職し退職金を受け取った60~65歳の男女を対象にインターネットで行い、1000人(平均年齢62歳)の有効回答を得た。

世界の株式市場は落ち着きを取り戻した。米証券大手の救済合併支援など米国の政策当局の迅速な対応や金融機関の資本増強の動きなどから、金融システムに対する不安感は後退しつつある。この間の米国株式市場は堅調な推移で、ダウ工業株30種平均は1・58%上昇した。日本の株式市場も値を戻し、東証株価指数(TOPIX)は5・46%上昇。外国為替市場は1ドル=103~105円で推移、円高進行が一服した。

 このような中、純資産増加額ランキング上位を見ると、トップの「野村 新世界高金利通貨投信」は451億円の純資産額増加だった。金融不安が後退し、高金利通貨への需要が強まったことで、ファンドが組み入れる通貨が対円で上昇したことが大きな要因。

 2位は新設の「ラッセル 世界環境テクノロジー・ファンド」で、428億円の資金を集めた。このファンドは、今後成長が期待される環境関連企業などに投資する。3位の「ピクテ・グローバル・インカム株式(毎月分配)」は株式の堅調さと、為替が円安ドル高方向に動いたことで424億円の純資産額増加となった。

 投資情報会社による投信評価を基に基準価額上昇率、1万円の投資成果、純資産増加額、トータルリターンなどの投資信託情報をお届けします。

大手信託4グループの2008年3月期決算が出そろった。投資信託販売などの手数料収入が伸び悩んだことなどから、本業のもうけを示す業務純益は全グループが減益を余儀なくされた。米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン問題の関連損失は4グループ合計で約1200億円に膨らみ、156億円の戻り入れ益を計上し過去最高益となったみずほ信託銀行を除く3グループで最終減益となった。

 サブプライム問題が本格化した昨年夏以降に株式市場が低迷し、リスク性商品である投資信託の販売が減少した。不動産仲介手数料なども減ったため、各社が注力する手数料収入などの役務取引等利益は全グループが減少した。

 サブプライム関連損失は住友信託銀行で793億円に膨らんだ。このほか、三菱UFJ信託銀行が300億円強、中央三井トラスト・ホールディングスが52億円、みずほ信託が30億円の関連損失を計上し、利益を押し下げる要因になった。

 09年3月期はサブプライム関連損失の影響がはげ落ちることなどから、住友信託と中央三井が最終増益を見込んでいる。